何度も病院に通っていると、抱っこ紐が欲しくなってくる。腕で長時間抱っこしていると疲れるし、何かの拍子に落としそうで怖い。両手があかないので、絶対一人で行動できないし。
いずれにしても千葉に戻るにあたって、ハムすけを運ぶものが必要なので、抱っこ紐を購入することにした。
妹がお祝いに買ってあげるといってくれるので、ありがたく甘えることにする。
マタニティファッションに喜びを見出せなかった私は、産後ダイエットをして、できるだけ体を元に戻し、また好きな服を着ようと楽しみにしていた(妊娠中はどんどん太ってしまって失敗したから、よけいに)。
妊娠中は、お酒も飲めず、どう考えてもおかしな体型の自分と向き合わざるをえなく、昔より可愛くなったとはいえ、やっぱりかわいくないマタニティ服しか着れず、「無事産まれるだろうか?」と神経を尖らせていた私にとって、妊娠中というのはつらいことのほうが多く、好きな格好をするというのは、産後の楽しみの一つであった。
ところが、おっぱいをやるようになると、「食べないと、ちちが出ない」!!
母の実家から、たくさんいちごをいただいた。
さっそく、「ジャム用(小さいのや、熟しすぎたもの、形の悪いもの)」「今すぐ食べる用(熟していて、大きいやつ)」「後回しにしてもいい用(わりと固さが残っていて、明日以降食べてちょうどよさそうなもの)」に仕分ける。
「今すぐ食べる用」を、さっそく食べたいだけ食べた。
私がフルーツ全般好きなのだが、中でもいちごは好物である。形もかわいいし、味もおいしい。
今だと、大きめの粒が15,6個入って、380円くらいするいちごを、山盛り、好きなだけ食べる幸せ・・・。あー、極楽、極楽。
ビタミンCが多く含まれているから、妊娠中に作ったしみも消えるかもしれないし、授乳してるからたくさん水分をとらなきゃ、などといろいろ理由をつけては、冷蔵庫を頻繁に開けて、いちごをぱくぱく食べる。
ジャムを作る香りが、家中に満ちている。これも幸せな大好きなものだ。
私が子どものころは、母がジャムを作る途中で、「いちご水」をとってくれて、それと牛乳を混ぜて「イチゴミルク」を楽しんだものだ。
私にも子どもができた。
この子どもに、この「いちご水」のような、大人になっても覚えているような、幸せな家庭の思い出をどれだけつくってやれるだろうか?
いちごを食べながら、しみじみそんなことも考えた。
新生児のうんちは、黄金色のつぶつぶ入りの下痢便みたいな感じである。
便秘とは無縁そうな超やわらかうんちにも関わらず、顔を真っ赤にしてうんうんうなったり、「うえーん」と1回泣きをしてみたり、眉間にしわを寄せて、妙に生真面目な顔をしたり、「うんちするのに、それはおおげさすぎるやろ」と思わず突っ込みを入れたくなるような態度でうんちをする。うんちのあとは、いつもすました顔をして「え?うんち?なんのこと?」というような態度をとるのが面白い。たまに満足げに、にや~と笑うこともある。
この百面相がおかしくて、それを見たくて、ハムすけがうんうん言い出したら、さっとハムすけの側に近づき観察する私。
ぶりぶりぶり!と、うんちの量に関係なく、音だけはいつもものすごいのも笑える。
しかも、赤ちゃんは、おっぱいを飲みながらうんちできるのだ。それもすごい。
ハムすけは、多少のうんちなら泣かないが、おしっこをするとすぐに「うええええん、うええええん」と泣く。うんちよりおしっこのほうがイヤみたい。キレイ好きなのか、そうでないのか、いまいちよく分からないぞ。
4月29日、予定日を3日過ぎて赤ちゃんが誕生した。
予想を遥かに上回る3836グラムの、大きな元気な男の子だ。
おっぱいを飲む口元や、きゅーきゅー言いながら伸びをする様子を見るにつけ、なにかとハムスターを連想させるわが息子。
さっそくハムすけとあだなをつけた。
